蒼城実験室

アナログゲーム関係をテキトーに

ハトクラ戦術検討(ステロ(?)編)

というわけで引き続き。今度はステロ(最低限の行動カードだけを入れてデッキを回す)戦術の検討。

ハトクラPCのクイックマッチ(ランクマッチ)はバリアントルール(1-2ターンの手札を任意に構成可能)が基本なので、2~5コストのどのカードを軸にするか、というのが割と決めやすいと思います。

交易船

交易船は「3コスト、連結無し」の行動カードです。その効果は「2コイン または 2ドローのどちらかを選ぶ」とシンプル。圧縮が無い執事ですね。あら弱い?

まあそんなことは無いんですが。交易船のみを挿す戦術の場合、連結が増えませんので基本的には手番の最後に2コインを出すだけ、つまり実質的には都市相当の動きです。終盤になれば、連結無視して2ドローを選択し、継承権カードのセット速度をちょっとだけ上げる働きにはなります。

じゃあ都市を買えばいいじゃないの、って話になりそうですがさにあらず。ポイントは「3コスト」の「行動カード」である点です。ここがハトクラ特有のシステムと相性がいい。そう、直轄地へのキープが容易、ということです。

擁立後、直轄地(都市以上)に交易船をキープしておけば、そこには2コインの預金があるわけです。デッキ枚数を1枚減らした上で、2金確定の1ドローと同じことになります。ということは6金が手札にあれば公爵に手が届く。強い。

また、都市、都市、交易船(2コイン)とすれば、直轄地に移動する都市の枚数を抑えつつ、農村を直轄地に移動させない(マイナス点を取らない)ので、デッキの金量低下を抑えることも出来ます。

ただし、「破城槌」のある場では、キープが有効に働かないため、前に書いた領地単独戦法と回転力はあまり変わらないでしょう。

というわけで、この策を取る場合には擁立タイミングをやや早める方がよい、となります。ここで輝くのが領地単独戦術で泣いていたベルガモット

行動カードをデッキに入れることで能力の起動が価値を持ちます。手札の農村を捨て札にすれば+1コイン、見習い侍女を捨て札にすれば+2コインになりますので、大都市や公爵へ手が伸ばしやすくなり、純粋に購買力が上がります。

交易船2枚目と適当な2連結のカードを追加すれば、回転力の向上が期待出来そうです。

貿易商人

貿易商人は「3コスト、連結無し」の行動カードです。効果は「+1コイン、山札の上から2枚を捨て札にし、捨て札の中の任意のカード1枚を山札の一番上に表向きで戻す」という感じ。山札操作をするカードです。

これがどう使えるかというと、捨て札にあるキーカードを次のターン確実に引く、ということです。序盤~中盤は都市、大都市を、終盤は議員や公爵が対象になるでしょう。また、山札を1枚分掘り進めることでデッキの回転がよくなります。

とはいえ、あまり回転させすぎると、捨て札が無い状態で手札に来てしまい仮想農村程度の仕事しかしないことも多々。山札の枚数には常に注意するとよいでしょうもっとも上手く回るのは、大都市購入後、リシャッフルが入るまでのタイミングですね。

まあ、このカード単体では次の手番までカードが引けないので、サポート用として2連結のあるカードと何らかのドロー系行動カードが欲しいところです。相性がよさそうなのは港町、願いの泉あたりでしょうか。斥候、早馬なども候補。

擁立後は基本的にキープでデッキ総数を減らし、公爵購入の次ターンでデッキトップに拾い上げる、という方針になるかと。

銀行

「5コスト、0連結」で「x"=その手番に出した都市、大都市、銀行の枚数+1"コイン」を生み出す行動カードです。手札に都市2枚あれば大都市相当になりますが、農村ばかりの場合には農村相当でしかないですね。

見ての通り、都市、大都市とともにプレイすることで大きなコインを生み出します。5コスト連結無しはカードとしては相当重たいのですが、基本的に領地だけで回していく今回の方針では早いタイミングで多数の都市、大都市がデッキに入り、体感ですが3金出る場面は意外とあります。

なお、このカードを使う場合、擁立時の直轄地には大都市を入れてキープ出来る体制を作っておきたいところ。"都市、大都市"の2枚が手札に来ればリコールして公爵が買えてしまうので、銀行ステロをするなら直轄地に大都市(もしくは皇室領)の存在は必須と言えるでしょう。

また、銀行をキープした状態で例えば"都市、都市、大都市、農村、農村"などの手札が整えば、王冠に手が届きます。揃わないだろうと思っていても、意外とチャンスはあったりするので、都市開発や寄付などによる圧縮+ドローデッキよりも先に13コイン出せるかもしれません。

ロマンは別としても、都市、大都市比率が高ければ「キープ可能な大都市」として機能しますので、先に述べたとおり公爵購入機会が増やしやすいと考えます。

歩兵大隊、サムライ、近衛騎士団

ここはまとめて。いずれも「連結無し、2コイン」+「他プレイヤーへの妨害」をする組合せになります。近衛騎士団は5コストと重めなので購入は3ターン目以降になると思いますが、歩兵大隊、サムライは4コストなので初手で取っていくことが出来ます。

この辺りは基本的に、同じ戦術(=ステロ系)を取っている相手をいかに足止めして、自分が先に出るか、という方針です。

歩兵大隊は単純に相手が6コイン(大都市)や8コイン(公爵)に届くのを遅らせる目的です。基本的に先打ちした方が優位なので、取るなら初手からがいいでしょう。2番手以降で取る場合には、他プレイヤーと同じ周回で打ってしまうと効果が減退するので、歩兵大隊への対抗となりそうなカード(仮想コインやドローカード)を取るなど、方針を切り替えた方がいいかもしれません。

サムライについては、4~5コスト帯のカード使用を遅らせる働きがあり、コンボデッキの錬金術師を止める、魔女系カードの使用を抑止する、終盤であれば議員のセットを遅らせる、など幅広いアタックを仕掛けられます。まあ他プレイヤーのサムライで自分のサムライが除外されてしまうことも多々ありますが(笑。

近衛騎士団は相手のデッキを操作してカードの使用を遅らせることが出来ます。キーカードを上手く捨て札にする事を覚えたいですね。

いずれのカードも、自分の手を早めるのではなく、他プレイヤーの構築を遅らせるものなので、場の動向を見極めてから使っていきたいカードです。

まとめ

ハトクラは色んな行動カードでしっかりデッキ作ってコンボをキメるみたいなのが楽しい遊び方な気もしますが、ゲームの勝利条件の基本は「場で一番速く20点を稼いで追いつかれないこと」なわけで、自分のデッキ回転だけ見ていたら下手すると1点もセットしないうちにゲームが終わっていた、なんてことにもなるわけです。はい、よくなります。

てなもんで、慣れた人が圧縮掛けつつ大型コンボをせっせと組んでいるのにお付き合いしていたら、同じように大型コンボを組まないといけないわけです。

しかし、コモンカードの枚数は1種あたり5枚、マーケットに並ぶ種類と枚数は10+2(王冠と帝都)種のうち8種で枚数変動となると、コンボパーツが半端に揃ったところで勝ち目は薄いわけです。

となれば、単体で効果の高いカード数枚に留めて、領地と継承権集めに専念することも、一つの勝ち筋たり得る、と考えます。